自治体の婚活支援事業を経済学的に考える

今朝の大分合同新聞にも記事がありましたが、ネットの方にはなかったので共同通信の記事を引用します。

https://nordot.app/921869564886466560?c=39546741839462401

記事の内容は、地方創生交付金のコロナ対策分を婚活事業の財源に当てるのはどうなのか、ということだと私は受け取りました。

私としては、「そもそも自治体が婚活支援事業をする根拠があるのか」という点について掘り下げて欲しいなと思いました。

私の知りうる経済学で考えてみます。

まず考えられるのは、婚活支援サービスが公共財かどうかということです。
婚活支援は民間事業者でもやっています。儲かっているかは不明ですが、少なくとも経営はできているようですし、独占や寡占があるようには見えません。
自治体が供給しないと成立しない公共財では無いようです。

もう一つ考えられるのは、情報の非対称性です。
中古車市場ではよい車は無くなり、悪い車しか残らないというレモン市場という話があります。
これと同じように、婚活市場では参加者間の情報の非対称性が存在する結果、良質な求婚者が市場から居なくなり、婚活市場に魅力がなくなる、という可能性が考えられます。
そのため、自治体が公に求婚者の情報を確認、「保証」する事で、情報の非対称性を低減し、市場を成り立たせる、という考え方は出来そうです。

ただ、自治体がどう求婚者を確認し、質を「保証」するのかは疑問が残るところです。実際の婚活市場では、何度かデートをして相手のことをよく知り、その上で判断していると思われます。それでも結婚してからしかわからないところがあり、「こんなはずじゃなかった」ということで離婚するケースにもなるのでは無いでしょうか?

この場合は、いかに情報を共有させるかという事であり、必ずしも自治体がする必要はないかと思います。

最後に考えられるのは、実質的な補助金として婚活しやすくするため、ということが考えられます。

民間事業者の会費に比べ、自治体の婚活支援はかなり安いことが多いと思います。これは実質的に婚活者に補助金を与え、婚活市場に参加させることになっているわけです。

経済学的にいうと需要曲線を右にシフトさせる事で供給曲線との交点が右にずれ、需要数量(ここでは婚活者数)が増加することになります。

理論的には良さそうですが、この擬似的な補助金の大きさは婚活者の所得に比べて少なさそうです。また、継続的な所得増加ではありませんから、どこまで効果があるか、疑問の残るところです。

私なりに考えた結果は、自治体がしなくてよい、ということになります。以前、大分県の婚活事業予算と成婚数を確認した際、一カップルあたり100万円以上の費用がかかった計算になったことを覚えています。

もうちょっと他の使い道があるように思います。

「自治体の婚活支援事業を経済学的に考える」への1件のフィードバック

  1. [自治体の婚活支援事業を経済学的に考える]の記事を読みました。「以前、大分県の婚活事業予算と成婚数を確認した際、一カップルあたり100万円以上の費用がかかった計算になったことを覚えています。」とのこと、見える化ってわかりやすいですね。

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