行政の仕事をしていると、「これってこの方法がベストなのかなあ」と感じることが多々ある。
行政は様々な権限を法律や条例で与えられているので、そういったものを使えば税金も少なくていいんじゃね?と思うので、調べてみた。
行政法学を見てみると、大きく4つの方法がありそうだ。
- 行政立法
- 行政計画
- 行政行為
- 行政指導
順にみていきたい。(以下はWikipedia「行政行為」「行政計画」「行政指導」を参考に書いている。)
目次
行政立法
知事や市町村長には条例の制定権はないが、規則の制定権はある。また、法律や条例によって規則委任されているものがあるので、その裁量の範囲内で規則の内容を動かすことにより、目的を達することも一つの手法だろう。
行政計画
長期計画とか各分野の計画などがあるが、なかでも国民に法的効果を有するものは拘束的計画と呼ばれ、法律上の根拠が必要。具体的には土地区画整理事業計画などが挙げられている。計画内容によっては立ち退きを求められたりするということだろう。どこをどういう用途にするかは裁量があるので、手法としては有効であろう。
行政行為
行政庁(知事とか)が「一方的な意思表示により国民を法的に拘束し、その権利義務に変動を生じさせる具体的な行為」を行政行為といい、何段階かの分類があるが、そこはスルーして最後の手法の部分に注目していきたい。
下命
国民に何らかの行為を強制する。つまり、「あーせい、こーせい」ということ。例えば違法建築の除去命令や納税。あまり行政庁に裁量があるとは思えない。
禁止
下命の逆で「あれはダメ、これはダメ」ということ。例えば営業停止、通行禁止。これも裁量なさそう。あ、でもどこを通行禁止にするかなどは裁量があるか。
許可
通常は禁止しているけど、特定の場合のみその禁止を解除するもの。「ほかはダメだけど、あなたはオーケイ」ということ。例えば自動車運転免許、医師の免許や営業許可など。免許などは試験制度をどうするかなどに裁量の余地がありそう。
免除
本来しなきゃいけないことをしなくてよいようにする。例えば納税の免除、年金・保険料免除。免除の基準を委任されていれば裁量の余地はある。
特許
本来持っていない権利や地位を与えるもの。まるで神のよう。例えば鉱業権設定の許可や公益法人設立の許可など。どちらかというと人工的な権利というところかな。これも基準の委任があれば裁量の余地がある。この内容を変えるのを「変更」、奪い取るのを「剥奪」という。
認可
私人間で行われた契約などの法律行為を補充し、その効果の発生を完成させるもの。例えば農地の権利移転の許可、公共料金の設定など。これは不備がなければ基本的に認可するから裁量は少なそう。
代理
第三者がするべきことを代わりに行政庁がやってあげ、しかも効果は第三者に帰属するもの。例えば土地収用法に基づく収用裁決、地方自治法に基づく長の臨時代理の選任など。これだけみると「やる必要あるの?」と思うが、代理によって何らかの権利義務が形成された後、それを踏まえて行政庁が対応をするというステップがあることを考えると、手法としては有意義か。ただ、基準の委任がないと裁量はない。
確認・公証・通知・受理
準法律行為的行政行為といわれ、行政庁の意思ではなく法律の規定によって成立する行政行為。なので、裁量の余地ゼロ。
附款
行政行為の主たる内容に付加される従たる内容の行為。弾力的運用に資する。分類は以下のとおり。
- 条件:停止条件(条件が成就すると発効)、解除条件(条件が成就すると消滅)
- 期限:始期(到来により効果発生)、終期(到来により効果消滅)
- 負担:法令で定めのない特別の義務を命じる。例えば運転免許の眼鏡着用など。守らなくても免許自体は有効なので、罰金などによって履行させる。
- 撤回権の留保:特定の場合に撤回することがある旨の意思表示。
- 法律効果の一部除外:行政効果の効力の一部を発生させない旨の意思表示。法律上の根拠必要なので裁量はあまりない。
行政指導
助言、指導等の非権力的な手段で働きかけて協力を求め、国民を誘導して意図する行為を行わせようとする事実上の行為。なんでもありな感もあるが、そういった発想からの問題があったため、行政手続法が制定され、様々な制約が入った。
規制的行政指導
私人の活動を規制するための指導。例えば交通違反者に対する警告や物価の抑制など。警告はわかるが、物価抑制はどうやって指導するんだろう?
助成的行政指導
私人に対する情報の提供と活動の助成を目的とする指導。例えば保健指導や経営指導、農業指導など。保健師や農業普及員の仕事はこういったものが多いか。補助金などもここに入るのかな?
調整的行政指導
私人間の紛争の解決を目的とする指導。例えば仲介や斡旋。労働委員会の斡旋などか。基本的にはパターナリズムを感じる。上の助成的行政指導も同じ。福祉行政というのは基本的に行政指導なのかしら。と思ったらWikipedia「行政指導」の関連項目に「法的パターナリズム」のリンクがあった。
さて、次は現実の行政のやっていることがこれらのどれに該当するか見ていきたい。
